Q
競売で借地の上に立っている建物を落札し取得しました。ところが、土地の貸主は、私が土地の借地権者となることを認めないと言っています。私は、借地権を取得することができず、建物を所有し続けることができないのでしょうか?
A
借地権は、その土地上の建物を取得した場合であっても、土地の貸主が承諾しない限りは取得できないのが原則です(民法612条1項)。
ただ、建物を取得した者が借地権を取得しても、土地の貸主に不利となるおそれがない場合(たとえば、借地人に、きちんと地代を支払っていくだけの収入があり、土地の使い方もこれまでと変わらない、という場合)なのに、貸主が借地権の取得を拒んでいる場合には、裁判所の許可によって、借地権を取得するという方法があります(借地借家法20条1項)。
裁判所の許可で借地権を取得する場合は、通常、一定の「承諾料」を支払わなければなりません。この金額は、借地権価格の1割程度が目安です。氷見市周辺であれば借地権価格は土地の価格の半分程度となるので、たとえば土地の価格が1000万円であれば、借地権価格の目安は500万円となり、承諾料の目安は50万円となります。
また、これとは別に、貸主が借地権の取得を承諾しない場合には、借地権の取得をあきらめて、その代わりに建物を時価で買い取ってもらう(借地借家法14条)という方法もあります。