雨漏りの修理

Q

5年前に、工務店に依頼して新築住宅を建ててもらったのですが、今になって、雨漏りがするようになってきました。修理してもらうのに、お金がかかるのでしょうか。また、修理を依頼するのは、家を建ててもらった工務店と、別の工務店のどちらがよいのでしょうか。

A

居住用の住宅を新築してもらい、引き渡しを受けたあとで、その住宅に雨漏りなどの不具合が生じた場合、その不具合が、増築や居住者の無茶な使い方などの他の原因に由来するものではなく、もともとの建築工事の欠陥に由来するものである場合は、注文者は、引き渡しを受けたのち10年間はその欠陥の修理を工務店側に請求(つまり修理代金を負担せずに、無料で請求)することができます(民法第559条、民法第562条、住宅の品質確保の促進等に関する法律第94条1項)。
万が一、もともとの新築工事請負契約に「工務店は引き渡し後、1年経過後は責任を負わない」などと記載されていても、注文者は修理を請求することができます(住宅の品質確保の促進等に関する法律第94条2項)。
なので、雨漏りが、もともとの建築工事の欠陥に由来するものであれば、修理代金を支払うことなしに、もともと工事をおこなった工務店に修理してもらうことができます。

ここで問題は、雨漏りが、もともとの工事の欠陥によるものなのか、その後の何かほかの原因(たとえば、動物被害)によるものなのか、注文者にはわからないということでしょう。
そこで、まずはもともと工事をしてもらった工務店に、雨漏りの箇所をみてもらい、雨漏りが、もともとの建築工事の欠陥によるものなのか、尋ねてみるとよいと思います。
ここで、工務店の方の答えが「これはもとの工事の欠陥によるものでした。すみません」というものであれば、法律上は欠陥を修理を請求する権利が自分にあることを伝え、修理代金を支払わずに修理してもらうよう、打診していけばよいでしょう。
他方で、工務店の方の答えが「これはうちの工事の欠陥によるものではないですね。修理代金をいただければ、修理しましょう」というものであった場合、念のためまったく別の工務店の方にも雨漏りの箇所をみてもらうことをお勧めします。
万が一、ほかの工務店の方がみて「これは、もとの工事の欠陥によるものです」ということになれば、そのことを家を建ててもらった工務店に伝えて、修理代金なしでの修理を打診するか、それに応じなければ修理はほかの工務店の方にしてもらい、もとの工務店にその修理にかかった費用を請求することになるでしょう。

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