Q40代の専業主婦の女性です。会社員の夫と離婚することになりました。5歳と3歳になる子供が2人おり、どちらの子も私が親権者となって引き取ることになり、夫からは月8万円の慰謝料を払ってもらうことになりました。離婚の条件や養育費の金額について、私も夫も納得できているのですが、このまま離婚してしまっても大丈夫なのでしょうか?

A「月8万円の養育費を支払ってもらう」ことに関し、ただの口約束や一筆もらうことで済まさずに、「公正証書」にしておくことを強くおすすめします。

 「公正証書」とは、公証役場(たいていは大きな駅の近くにあります)で、公証人(裁判官や検察官を引退された方が務めておられます。)が作成する文書のことです。公正証書は、法律の専門家である公証人が、法律に従って作成する文書であるため、高い証明力が認められています。
 「公正証書」のもっとも大きな効力は、調停や裁判をせずとも、公正証書に記載された内容で強制執行ができるという効力です。
 これはとても大きな効力です。
 強制執行とは、簡単に言えば差押えのことです。
 養育費の支払いについて、公正証書を作成せず、単に一筆もらっていただけの場合、月々8万円の養育費の支払いが滞ったときでも、その時点であらためて養育費の支払いについて調停を起こし、その調停が成立(調停の手続きの中でお互いの合意が成立)しないと、強制執行つまり差押えをすることはできません。
 他方で、「月々8万円の養育費を支払う」という内容を公正証書にしておけば、調停をとおさずに、いきなり強制執行、つまり差押えの手続きをとることができるのです。
 差押えをおこなうのは、通常、元夫の勤務先に対する給料債権や、預貯金が多いです。相手の勤め先や、預貯金の所在が分からない場合には不動産を差押える場合もあります。
 勤め先の給料債権を差押えれば、勤め先から、預金を差押えれば、銀行から、養育費に相当する金額を直接支払ってもらうことができます。
 
 強制執行つまり差押えも、裁判所を通して行う必要があり、弁護士に依頼しなければ難しいところはありますが、調停をおこしたあと差押えをおこなうのに比較して、公正証書をもっていきなり差押えをおこなうのであれば弁護士の費用もずっと安く済みます。
 
 養育費の支払いに限らず、何らかのお金を支払うという約束であれば公正証書による強制執行の手続きが使えます。
 金銭の支払いに関する約束を公正証書にしておきたいという方は是非一度弁護士にご相談ください。
 
 
 

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